有名大学に入学するための勉強をすることは時給3万円のバイトをするようなもの
01 大学へ行くことために、今行っている勉強は一体時給何円くらいの価値があるのか?
私は以前、大学院生博士課程に在籍している頃、早稲田大学の哲学サークルを初めとする複数の文化系のサークルで学部生を対象に哲学講義をしていました。そこでは、「西洋哲学史」を教えたり、「倫理学」を教えたりする一方、「大学のレポートの書き方」や「卒論の書き方」「大学院入試の仕方」「就活の対策」などまで幅広く教えていました。そういう多くの講義の中でも、一番大学生から受けが良かったのが、大学1年生を相手にした「大学に入って学ぶことの意味」というテーマでした。
私は当時早稲田に10年近く在籍していたこともあって、早稲田のアメフト部顔負けの体格といかつい風貌で通称「髭レスラー」という愛称で、大学の学部や大学院を超えて、早稲田の中で結構有名人でした。そんな私が、新しく早稲田大学に入学してきた新年生に「大学で学ぶことの意味」について話をするのは、新入生にとっては面白かったようです。しかし、今回は「大学で学ぶことの意味」という若干難しく抽象的な話をする以前に、お子様にとって分かりやすい問題である「大学進学、あるいは難関大学へ進学することが経済的にどれくらい意味があるのか」を確認したいと思います。
そこで、ぜひ武蔵野個別指導塾の保護者様の皆様には、お子様に「大学へ行くことや難関大学へ行くことで、今行っている勉強は一体時給何円くらいの価値があるのか?」という質問をして欲しいと思っています。お子様にとっては、こういうことを考え方事が無い場合が多いと思います。「大学へ行くための受験勉強の価値?時給に換算するといくらかだって?」と怪訝に思い、「そんなの1000円くらい?」とか、多少意識の高いお子様でも「時給2000円くらいの意味があるのか。意外と高いんだよね」という回答しか返ってこないと思います。
それでは、その質問に対する答えを紹介しましょう。その前に、大卒と高卒で生涯年収がいくら違うか確認してみましょう。大学卒の生涯年収(2億6000万円は高校卒(2億円程度)よりも6000万円は違うというデータがあり、データによって差があるもの、どのデータでも5000万円から大体6000万円くらい違います。つまり、大学に進学するということは、最低でも6000万円の価値はあるということです。
02 有名大学へ行くことは、今の勉強時間をバイトと考えると時給どれくらいの価値があるのか?
さらに、いわゆる東大・京大・一橋大・東工大、早大・慶大・上智大といった有名大学を出身すると大体生涯年収は3億円程度になり、平均程度の大学を出るより、さらに高く大体5000~6000万円程度高くなります。これを簡単にいえば、普通の大学(偏差値50前後の大学)に行くより6000万円稼げることになり、さらに高卒の人よりも生涯で1億2000万円程度高くなります。そのことを非常にわかりやすく言えば、大学受験で上位校に受かるメリットというのは経済的には、高卒で終わるよりも、1億2000万円程度お金が稼げるということであり、平均的な大学へ進学するより、6000万円程度お金が稼げるということを意味します。
これを大学受験の対策をいつから始めるか、大学受験を意識した勉強をいつからはじめるかにもよりますが、仮に高校1年生から考えるとしたら、3年間勉強を頑張るだけで、6000万円~1億2000万円のお金が稼げるようになるということです。私は、東大・京大・一橋大・東工大、早慶上といった大学へ進学へ進学するのには、高校一年生から毎日確実に4時間以上勉強すれば確実に合格できると説いてきました。これは長年の指導経験で例外なく当てはまる経験則でもあります。以外と少ない勉強時間じゃないかと思った方もいるかもしれませんが、これは必ず毎日勉強するということです。ドラゴン桜の有名な台詞を使えば、「毎日を磨くように勉強しろ」ということです。歯を磨かないと気持ちが悪くなるように、その日勉強していないと気持ちが悪いくらいの気持ちになってほしいわけです。しかし、殆どの生徒が毎日4時間コンスタントに勉強することができないという事実もあります。
今日はたまたま8時間勉強したとか、今日は誕生日だから勉強をサボったとか、正月だからのんびりしたというのでは駄目だということです。では、仮に毎日4時間高校3年間勉強すると仮定したら、一体その効果というのは時給というのはどれくらいに相当するかというと、高校時代4380時間勉強すれば良い訳なので(注意点は、これはムラがあって合計でこの時間数勉強することなく、毎日必ず4時間勉強して累積してこうなるということです)、すると、6000万円の差が生まれる高卒の人の生涯年収と比べるなら、高校生が4時間毎日必ず勉強するとして、1時間あたりの勉強の価値は、時給13,698円(約14000円)の価値があるということになりますし、難関大学に行くならばそれ以外の大学へ行くより、それがダブルスコア(二倍)になり、時給27,397円(約3万円)と、その1時間あたりの勉強の価値は非常に高くなるということです。
難関大に行くことは、時給にして、平均的な大学へ行くより生涯年収が約1.5倍になるということであり、その差というのは、高校時代の勉強時間を時給にすると、約二倍の価値があるということです。
時給1万4千円だとか時給3万円も差が出る仕事など、一般的な仕事ではまずあり得ません。日給ではありません。時給でそれぐらいの差が出るということです。ファンドマネージャーとかベンチャー企業の創業オーナーとか、特殊な場合ぐらいしかこういう金額の差は出ないと思います。しかし、大学へ行くための準備は、最低でも時給1万4千円の価値があるのであり、難関大学へ進学するということを考えると、今行っている勉強の価値というのは、時給3万円近い価値があるということになるわけです。
これは、あらゆる難関資格や特殊なケースを考えても、かなり例外的な差であり、驚異的な差が生まれることを意味しています。世の中にこれほどコスパの良いものはないといっても過言はないでしょう。高校生にとって、もっとも割の良いバイトというのは、大学受験の勉強をするということなのです。
03 今、1時間、勉強することは時給3万円の価値がある
どうでしょうか。これを聞いて、生徒の皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。目先のお小遣い10万円とか、100万円を親御さんからもらうとか、宝くじで1000万円当たるとかと比べても、大学進学、そして、難関大学へ進学へ行くことが、目先の100万円や1000万円と比較にならないくらい稼げることだと理解してもらえるのではないでしょうか。生涯年収で1億2000万円違うので、宝くじで一等を当てるのと同じ金額が、1000万分の一のようなあり得ない確率ではなく、ほぼ確実に1億2000万円稼げるわけです。高校時代にバイトして時給1072円(東京都の2023年での最低賃金)を稼ぐより、1時間でも多く勉強した方が、かなりというか、比較できないほど稼げる(時間当たりの価値がある)ということがわかります。
高校生はもちろん、中学生や小学生の勉強1時間というのは、これを遡って中学時代から大学受験を意識して勉強するとしても、仮に難関大学を志望するのであれば、時給に換算すると、1時間勉強することの価値というのは、大体時給14,000円のバイト(中学生)をしているのと同じですし、小学5年生からでも、1時間勉強することの価値は、大体時給10,000円のバイト(小学生)をしているのと同じ価値があるというわけです。
今、「大学に行きたくない」と言っているそこのキミ、そこのアナタ、時給3万円、つまり最低限40年働くとしても(しかも、今後は人生100年時代といわれているように、生涯働く期間はもっと長くなることが想定されているので格差は更に増えるでしょう)、生涯、高卒の人よりも余計に多く6000万円稼ぐのと、6000万円損するのはどちらが良いですか?あるいは、「大学なんてどこでもいいわぁ」といっているそこのキミ、そこのアナタ、一生で更に余計に6000万円稼ぐか、それともそのままでいるのか、どちらがいいですか?今、生徒さんの頑張り次第で、一生に換算すると、6000万円から1億2000万円余計に多く稼げるかどうか、たったの高校三年間でかかっているわけです。そして、そのための勉強の価値というのは、時給3万円という価値があり、コンビニでバイトする30時間分くらいの価値があるわけです。
どうでしょうか?大学受験ってコスパよくないですか?
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【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員。元MENSA会員。早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。一橋大学大学院にてイギリス史の研究も行っている。 |
社会=暗記という常識はもう古い!知識だけでは通用しない社会の問題(麻布中学校の社会の入試問題より)