英文法特講(英語から繋げる本物の教養)4
01 定冠詞Theの意味を一瞬で理解しよう。
次の問題を一緒に解いてみましょう。
空所に入れるのに適切なものを1つ選べ。
Although Taitan is classified as ( ), it is larger than the planet Mercury.
(A) a moon (B) a sun (C) the moon (D) the sun
ここでいうタイタンというのは、何らかのヒーローの名前では無く(よくありますが)、もちろん、日本の某芸能事務所でもありません。土星にある衛星タイタンのことですね。タイタンは、「太陽系内の衛星としては唯一、豊富な大気を持つ天体であり、地球以外で唯一、表面に安定的に液体が存在することが確認されている天体」であり、宇宙好きには有名な衛星です。この衛星は非常に大きく、太陽系の惑星の中で最小の水星よりも大きく、月よりも大きいんですね。なので、この問題は、the moonと(C)を選んでしまうとちょっと意味不明になってしまいます。
普通に、the moonというのは、要するに、みんな知っているあのお月様のことです。それに対して、a moonは月ではなく、衛星という意味で使われるわけですね。別に定冠詞のTheが使えないという意味ではありません。The moons of Saturn(土星の衛星)と使うこともあります。みんなが知っている共通認識として使う場合にTheという冠詞がつけられるというだけです。みんなが知っている「あれ」的な感じの場合ということですね。
I’ll wait for you at the station.(その駅で待っているね)
という時、「駅」について、聞き手が知らなければ、一体どこの駅で待ってんだよ、と突っ込みを入れられてしまいます。東京駅かもしれないし、武蔵境駅かもしれないし、新中野駅かもしれないし、中野駅かもしれれないでは困るわけですね。ま、最後に、わざと紛らわしく新中野駅と中野駅という、こういわれても知らない人は一瞬困惑してしまうかもしれない例を挙げてしまいましたが、話し手と聞き手で共通認識できなければ、Theはつけられないというわけです。なので、I always use Nakano station.的な理解などが、先にあってはじめて、I’ll wait for you at the station.といわれて、「あー、中野駅で待ってんのね」と理解可能になるわけです。
なので、先ほどの問題でも同様で、確かにタイタンは有名ですが、みんなが知っている「あれ」ではなく、「タイタンは、衛星として分類されるけれども、惑星の水星よりも大きいんだ」ということで、「みんな知っているかい??」と未知の情報を伝えてくれているので、Theという定冠詞ではなく、aという不定冠詞がつくわけです。
ちなみに、冠詞の世界は、漢詩(誤字や打ち間違えではなく、漢字の詩の漢詩のことですよ、だじゃれですよ、苦笑)の世界と同様で奥が深く、冠詞の説明だけで一冊終わってしまうような専門書もあるのですが、まずは、定冠詞のTheの意味は、「あー、例のあれね」の「あれ」です、ということで理解を進めていきましょう。
02 生物学の知識も無いと解けません
次の問題にいきましょう。
空所に入れるのに適切なものを1つ選べ。
I hate ( ). If such a filthy insect settles on me, I’ll faint.
(A) a cockroach (B) cockroaches (C) a snail (D) snails
これは「私は( )が嫌いだ。こんな不潔な虫が私についたら、私は気絶するよ」と言っているわけなので、これは「一匹の虫」というよりは、一般論として、「~という虫」みたいなのが体に付着したら私は気絶するほど気持ちが悪いと言っているわけですね。つまり、不定冠詞のa/anがつかないBかDしか正解はなくなるわけです。まあ、cockroachはゴキブリ(ゴッキー)で、snailはカタツムリですね。まあ、カタツムリも気持ち悪いという方や嫌いな方もいると思いますので、(D)を選んでしまった方も別に間違えとはいえません。しかし、生物学の知識があるとわりかし有名なのですが、カタツムリは虫(昆虫)ではないんですよね。貝の一種で、軟体動物なんですね。たことか烏賊と同じ仲間です。なので、昆虫ではないので、insectではないので、正解は、(B)となります。
なので、たとえば、私は猫派です、というような時の猫派は、I like cats.と言います。I laik a cat.というと、そこらにいる一匹の猫が好きだといっているだけの意味になりますし、物質名詞(不可算名詞)として猫を「I like cat.」と言おうものなら、猫の肉が好きなのかと勘違いされかねません。不可算名詞としてのCatは猫の肉を意味してしまうわけですね。
ちなみに、総称の意味では、先ほどの「the」も使われます・「the piano」で、そのピアノではなく、ピアノというもの一般という意味でピアノと言おう楽器になるわけですね。逆に、特殊なケースなどでは、I play a baby grand piano.という風に楽器のピアノでも定冠詞をつけません。ちなみに、どういうものかというと、子供用のグランドピアノというやつで、下の写真のようなものです。
武蔵野個別指導塾
【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |