英語を学ぶ魅力について

英語教育を学ぶ魅力について

皆さんは英語が好きですか?勉強していて楽しいですか?

このコラムを読んでくださった方のなかには、「英語は必要ってわかっているけど難しいよ」「たくさん単語やイディオムを覚えなきゃいけないし大変だな」というように感じていらっしゃる方も多いでしょう。

そこで、これから大体4回くらいにわたって、英語の学習についてお話をしたいと思います。

といっても、将来仕事で絶対に必要だから!というような(つまらない)話ではなく、まずは英語を話せるとこんな楽しいことがあるよ、ということについてお話します。そのうえで、ではどのように勉強すれば良いか?ということを分かりやすくお伝えしていきたいと思いますので、ぜひお付き合いください。

さて、英語に限らず、母国語以外の言葉を学ぶことの何が楽しいのでしょうか?

私が考えるのはずばり、次の3つです。

  • 今までとはちょっと違う自分になれる(アイデンティティーの再構築ができる)
  • 未知なる他者や世界への理解が深まる(もう少し遠いところまで行ける)
  • 今まで普通だった世界が普通ではなくなる(なるほど!と思う瞬間が増える)

あれ、異文化コミュニケーションとか言わないの?と思った方もいらっしゃるかもしれません。②がそれに近いですが、今回はあえてそこにフォーカスしません。だってそんなこともう散々聞いてきましたよね?もっと個人的な体験としての英語の楽しさをみていこうではありませんか。

  • 今までとはちょっと違う自分になれる(アイデンティティーの再構築ができる)

皆さんは普段日本語で、「ありがとう」「すみません」と言うのには慣れていますよね。では、次の言葉を日常的に使っていますか?

  • 愛してるよ (I love you)
  • あなたのことを誇りに思うわ (I am proud of you)

どれも、英語では日常的にとてもよく使う表現です。1つ目は大好きだよ、2つ目は頑張ったね、偉かったね、に近い表現ですが、あまり頻繁に言わないですよね。ご家族やご友人、先生に最近言ったのはいつでしょうか。

英語を話すようになると、こうした日本語では馴染みのない表現を沢山使うことになります。初めはくすぐったいような、恥ずかしいような気持になるかもしれません。でも慣れてくると自然に使えるようになります。それはある意味、皆さん自身のキャラクターが再構築される瞬間でもあります。英語になると、何故かオープンな気持ちになる、素直に自分が表現できるという方が多くいらっしゃいます。今までとはちょっと違う自分になれる、それが英語を使えることの楽しみの1つだといえます。

未知なる他者や世界への理解が深まる(もう少し遠いところまで行ける)

自転車に乗ると、いつもよりもう少し遠いところまで行けますよね。英語を話すというのは、この行為に近いと思います。たとえば皆さんの前で、耳の聞こえない小さな子供が泣いているとします。皆さんはきっと、身振り手振りでなんとかこの子を助けようとしますよね。でも、もし手話ができたら?きっともっと正確に、この子がなぜ困っているのか、何を言いたいのかを理解することができるはずです。あるいは、Appleの創始者である故・スティーブ・ジョブスの演説はなぜあれほど人々の熱狂を呼んだのか、日本語の字幕を読むのと、実際の英語を聴くのでは胸に迫るものはまったく異なるはずです。英語を理解することで、今までよりもっと深く、新しいものを知ることができるようになります。まさに、今まで分からなかった「もう少し遠く」まで、英語は皆さんを連れて行ってくれるのです。

今まで普通だった世界が普通ではなくなる(なるほど!と思う瞬間が増える)

皆さんは普段、日本語を無意識に話していますよね。でも他の言語を学ぶと、日本語に対してももっと意識が向くようになります。たとえるならば、日本の道路は左車線ですが、アメリカやヨーロッパでは右車線ですね。欧米に旅行して帰国すると、今まで不思議に思ったこともなかった左車線が、突然新鮮なものに映る、そういった感覚です。英語に「旅する」ことで、日本語に帰った時に新たな発見が生まれるのです。これも、他の言語を学ぶことの大きな楽しみの一つだと思います。よく英語を勉強していて紛らわしいといわれる、否定疑問文という文法があります。Don’t you?(~じゃない?)に対して、日本語と英語ではYes / Noが逆なので混乱してしまう、というものです。確かにテストで出てきたら嫌かもしれませんが、今まで考えたこともなかった、日本語の文法を皆さんは初めて意識したわけです。なんだか、日常が少しだけ変わって見えませんか?この違和感こそが、異なる言語を学ぶ楽しさに繋がると私は思います。

ここまで読んでいただいて、少しでも英語って楽しいのかな?と思われた方には、次のコラムでより実践的な英語の学習方法についてお話したいと思います。ではまた次回。

【監修者】 宮川涼
プロフィール 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。
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ryomiyagawa
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。

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