英語を学ぶと言うこと（2）

武蔵境駅徒歩1分「武蔵野個別指導塾」で学ぶ英語

英語が苦手な方の多くは、英文法でつまずいていらっしゃるのではないでしょうか。英語は日本語とはまったく異なる文法構造をしているので、混乱しやすいのだと思います。また、過去完了だの受動態だのと、馴染みのない難しい用語がたくさん出てくることも、苦手意識に繋がる理由でしょう。

残念ながら、英語の基本文法については、少なくとも一度はきちんと学んでいただくしかありません。なぜかというと、せっかく単語を覚えても、文として理解できなければ英語を読み解くことはできないからです。英文が長くなればなるほど、基本文法の理解が物を言います。ですから、「基本の型」だけは、きちんと押さえておく必要があるのです。ただし、すべてを丸暗記する必要はないので、その点についてこれからお話したいと思います。

英語の基本文型

たとえば、英語の基本文型と呼ばれるのは以下の5つです。覚えていますか？

SV（主語＋動詞）
SVC（主語＋動詞＋補語）
SVO（主語＋動詞＋目的語）
SVOO（主語＋動詞＋目的語＋目的語）
SVOC（主語＋動詞＋目的語＋補語）

注：Sは主語、Vは動詞、Cは補語、SVOは（目的語）、SVOOのOTといった

なんだか目がチカチカしてきますね。そもそも補語とは何のことだか、きっとほとんどの方は覚えていませんよね。一応正式な説明を見てみましょう。

「補語とは、SVまたはSVOだけでは文章が不完全な場合に、その意味を補う役割を持つ語（句）である。具体的にはSVCまたはSVOCのCに該当する。SVCにおける補語は、主語の性質を説明することから、主語補語と呼ばれる。SVOCにおける補語は、目的語の性質を説明することから、目的語補語と呼ばれる。補語として使用されるものには、名詞、形容詞、代名詞、動名詞、分詞、不定詞、句、節がある。」

どうでしょう、何とも理解しがたいですよね。

いずれ英文に慣れてくれば、この文章はどの文型だろう？などとわざわざ考えることもなくなります（私もこのコラムを書くまで、文型のことなんてすっかり忘れていました）。とはいえ英文の構造を理解していないと読むこと自体ができませんので、文型を覚えることはとても重要です。では、どのように覚えるのが一番効率的でしょう？

結論からいうと、5つの文型それぞれの例文を覚えること、です。遠回りに思えるかもしれませんが、これが一番の近道だと私は思います。人間の脳は、SVOCなど意味のない記号の羅列よりも、意味のある長文を記憶する方が得意なようにできています。また、例文に慣れることで、初見の文を見たときでも瞬時に文構造が判断できるようになります。私が英文法を学んでいた時は、SVOOの例文は？と聞かれたら即答できるくらいに、例文を暗記しました。できれば各文型について、2～3個の例文を頭に入れるとよいでしょう。

基本5文型の代表的な例文をいくつか挙げたいと思います。少なくともこれらの意味を理解し、覚えることができれば第一段階はクリアできているといえます。もちろん、個人指導塾の授業ではこれらの文型、例文の意味をより詳しく解説していきますので、ここではご参考までに読んでいただければと思います。

SV（主語＋動詞）
- I go to school.（私は学校に行く）
- He runs.（彼は走る）
- Everybody laughed.（みんな笑った）

第一文型は、主語と動詞というもっともシンプルな構造です。一番目のI go to schoolに関しては、Iが主語、goが動詞、to schoolは何かというと、これはgoを修飾しているだけなので修飾語と呼ばれます。

第一文型をとる動詞には目的語や補語を取らないため、完全自動詞といいます。しかし、単独で使われる場合はそう多くありません。”Here is how you should do it. See?” “I see. I’ll tray it.　（ここにやり方が書いてあるよ。わかった？わかりました。やってみます）というように使われます。

SVC（主語＋動詞＋補語）
- You are beautiful.（あなたは美しい）
- She sings well.（彼女は上手く歌う（＝彼女は歌が上手い））
- Mother is in the kitchen. （母は台所にいます）

第二文型は、第一文型に補語が加わったものです。一番目のYou are beautifulでは、Youが主語、areが動詞（be動詞）、beautifulが補語（形容詞）となります。二番目の文では、Sheが主語、singsが動詞、wellが補語（副詞）です。

SVO（主語＋動詞＋目的語）
- I visit my friend.（私は友達を訪ねる）
- He keeps walking.（彼は歩くことを続ける（＝彼は歩き続ける））

第三文型は、動詞の後に目的語が来ます。一番目のI visit my friendでは、Iが主語、visitが動詞、my friendが目的語となります。つまり、visit（訪ねる）の相手（目的）がmy friend（私の友達）ということになります。二番目の文では、Heが主語、keepsが動詞、walkingが目的語です。この場合、keeps（～し続ける）の対象（目的）がwaking（歩くこと）になります。

SVOO（主語＋動詞＋目的語＋目的語）
- I give her a birthday present.（私は彼女に誕生日プレゼントをあげる）
- You cook me nice food.（あなたは私に美味しい料理を作ってくれる）

第三文型に、さらに目的語を重ねたのが第四文型です。「～に対し～を」という構造になります。一番目のI give her a birthday presentでは、herが一つ目の目的語（～に対し）、a birthday present（～を）が二つ目の目的語です。二番目の文では、meが一つ目の目的語、nice foodが二つ目の目的語であることがわかると思います。
なお、SVOOの目的語の語順を入れ替えて、次のような文章にすることもできます。
I give a birthday present for her.

この場合、訳としては上の文章と変わりませんが、for herは目的語ではなくpresentにかかる修飾語ですので、SVOOではなくSVO文型となります。

SVOC（主語＋動詞＋目的語＋補語）
- I keep my room clean.（私は部屋をきれいに保っている）
- She makes me feel happy.（彼女は私を幸せに感じさせる（＝彼女といると私は幸せだ））

第三文型のSVOに、補語を加えた文型が第五文型です。一番目のI keep my room cleanでは、Iが主語、keepが動詞、my roomが目的語、cleanが補語（形容詞）となります。二番目の文では、Sheが主語、makesが動詞、meが目的語、feel happyが補語（副詞節）となります。

英文法にはこの他にも、疑問文、否定文、進行形、完了形、不定詞などなど多くの要素があります。これらを効率よくマスターするコツは、上述したように例文になるべく触れて「基本的な型」に慣れることです。細かい文法上のルールは挙げればたくさんありますが、少なくとも初めから全てを覚える必要はありませんので、焦らずじっくり学んでいただければ大丈夫です。

数多くある文法を学ぶのは確かに大変ですが、繰り返して言います。文法そのものを丸暗記するのではなく、例文を理解して覚えること。これが、文法を学ぶコツだと思います。

次回は英語を学ぶコツ（単語編）をお送りします。

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【監修者】	宮川涼
プロフィール	早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。