中学受験で大事な算数で点数をアップするための勉強法
01 中学受験の算数の誤った勉強法
(1)計算ミスをなくすには毎日たくさんの練習をすることが大切(×)
確かに、計算問題を解くには、計算問題を多く解き、体に染みこませるのは大切です。しかし、多くの場合、計算問題をなんとなく作業として解いているだけで、きちんと頭を使って計算をしていないと、その計算問題の演習は殆ど意味がありません。計算問題は単純に計算問題を解けば良いというのではなく、以下に最小限の労力で計算の工夫をして解くかということが大事なんです。もっと極端にいえば、計算問題はひたすら意味も無く解くよりは、重要な数を暗記したり、計算の工夫をすることが、意味も無く計算問題を解くより大切なのです。
たとえば0.5なら1/2、0.25なら1/4、0.4なら2/5、0.75なら3/4、0.8なら4/5、0.125なら1/8、0.375なら3/8、0.625なら5/8、0.875なら7/8といった小数と分数を計算せずにパッと思い浮かべれられること(こういうのを数的暗黙知といいます)や計算問題だけではなく、円の面積や円周で頻出する、3.14÷2=1.57、3.14×2=6.28、3.14×3=9.42、3.14×4=12.56、3.14×5=15.7、3.14×5=18.84、3.14×6=18.84、3.14×7=21.98、3.14×25.12なども覚えておく必要があります。また、平方数も大事です。11×11=121、12×12=144、13×13=169、14×14=196、15×15=225なども頻出します。さらに、立方数、2×2×2=8、3×3×3=27、4×4×4=64、5×5×5=125。そして、三角数で、1,3,6,10.15、21、28.36、45,55,66や、素数、2,3,5,7,11,13、17、19、23、31.37、41、43,47,秒速(メートル)▶時速(キロメートル)は×3.6、時速から常則では÷3.6となることなども計算せずにぱっと九九のように思い浮かべられるとよいでしょう。
そして、こうした数的暗黙知の育成は、計算問題をひたすら解くよりも、初めからこういうものがあるのだと覚えた上で、実際に計算問題を解くことで定着していくものです。逆に計算問題を解きながら、こうした典型パターンを導き出し、覚えていくというのは非常に効率が悪いといわざるを得ません。
また計算の工夫も大切です、試しに問題を出してみましょう。
15×12=
35×14=
いかがでしょうか。少し答えるのに時間がかかったり、思わず筆算してしまったのではないでしょうか。これでは大きな時間ロスをするだけではなく、計算ミスを起こしやすくなってしまいます。しかし、計算の仕方に工夫をして、15×12=国直して、15を二倍して30にし、12を半分にして6にする、そうすれば、30×6となり、答えは一瞬で180であると分かるでしょう。次に、35×14ですが、こちらは、35を二倍して70にし、14を半分にして7にすれば、70×7=490と瞬殺できるのではないでしょうか。おそらく普通に筆算するより5倍くらいは計算時間を短縮でき、さらに計算ミスも起きづらくなります。次にこれはどうでしょうか?
999×234=
筆算しても解けますが、計算が面倒ですね。これも999を(1000-1)へ変え、それを234でかける、すると23400となります。その上で、計算で省いた1×264を23400から引けば良いわけですね。答えは、233766となります。大分計算しやすくなり、さらに計算スピードは一気にあがったのではないでしょうか。中学校受験の計算問題はこのように、一見複雑に見えるけど、計算に工夫することで、簡単に解けてしまうことが多いです。
計算問題は力ずくで、説こうとするより、覚えなければならない小数、分数の入れ替えや平方根、三角数や素数などを把握しておくと、受験で問題を解くスピードが確実にあがり、さらに、時間配分も楽になります。一見複雑な計算問題こそ、工夫をすれば瞬殺できるようにできている問題が多いということを覚えておきましょう。
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【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員。元MENSA会員。早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。一橋大学大学院にてイギリス史の研究も行っている。 |
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