英語を学ぶと言うこと(単語編)
どれくらいの単語力が必要なのか?
受験英語においてもっとも厄介なのが、単語を覚えることです。大学受験に必要な単語数は、大学入学共通テストや一般的な私立大学で約4,000~5,000語、立教や青山といった難関大学では5,000~6,000語、慶應や早稲田といった最難関大学では6,000~7,000語といわれています。
これだけの単語数を覚えようと思ったら気が遠くなるような感じがしますが、単語の覚え方にも「コツ」があります。今回は単語を効率よく覚えるためのコツについて、お話をしていきます。
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一気に覚えようとしない
難関大学で必要とされる5,000語を例にとって考えてみましょう。もし高校3年生の4月~12月の9か月間だけで5,000語を覚えようとしたら、1日あたり20語近くを学ばなければなりません。でも実際は、中学1年から高校3年までの6年間もあるわけです。この場合、1日あたり2語覚えればよい計算になります。どうでしょう、これなら出来そうよね。皆さんの中にも、テスト前日に一夜漬けをした経験がある方は多いでしょう。一気に覚えるのは大変ですし、すぐ忘れてしまいますよね。当たり前すぎて怒られてしまいそうですが、結局のところ勉強はどの科目でも反復が肝心です。当個人指導塾でも、前回習った内容を必ず確認し、積み重ねていくことを大事にしています。 -
単語単体で覚えようとしない
文法編でもお話したように、人間の脳は意味のない記号や文字の羅列を覚えることが苦手です。ですから、単語帳を使って1語1語を覚えるよりも、フレーズで覚える方が効果的です。また、1つのフレーズで新しい単語を複数覚えることができれば、より効率的だといえます。たとえば、次の3つの単語を覚えるとしましょう。
・criticize(批判する)
・article(記事)
・policy(政策、ポリシー)
これらを次のフレーズでまとめてみましょう。
The article criticizes the current economic policy.(その記事は、現在の経済政策を批判している。)
このように、意味のあるフレーズにすれば忘れにくいですし、3単語を一度に覚えられて一石二鳥ですね。なお、気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、英単語を覚えるときは名詞だけ、動詞だけ、といった覚え方よりも、名詞+動詞+形容詞(副詞)など、複数カテゴリーの単語を組み合わせた方がフレーズにしやすいです。市販の英単語帳の多くは、名詞編、動詞編といったようにカテゴリー別になっていますが、これだと丸暗記するしかなくなってしまいますのでお勧めできません。
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単語の法則を見つける
最後は少し上級者向けのお話をします。英単語をある程度覚えてくると、活用形や単語の構造に法則があることが分かってきます。活用形というのは、たとえば次のようなものです。
・economy(経済:名詞)
・economic(経済の:形容詞)
・economically(経済的に:副詞)
新しい単語を覚える際は、できればこのように活用形を一緒に覚えてしまった方が効率的です。初めは少し大変ですが、慣れてくると名詞から形容詞や副詞がなんとなく想像できるようになってきます。
次に、単語の構造の法則について説明します。たとえば、次の単語を見てみましょう。
・misunderstand(誤解する)
・mislead(誤解を招く)
・mistake(過ち、間違い)
・misbelief(誤った思い込み)
・mischief(いたずら)
すべて、頭に”mis”がついていますね。”mis-”から始まる単語は、何かしら誤ったものや行動を表していることがほとんどです。もう一つの例を挙げてみましょう。
・international(国際的な)
・interact(相互作用する)
・intersection(交差点)
・interrelated(相互に関連した)
・intervene(介入する)
”inter-”から始まる単語は、「互いに」「何かと何かの間」というようなニュアンスを持っていることが多いです。このような法則を理解できると、英単語を見ただけで意味を推測できるようになります。
いかがでしょう。コツをつかんでコツコツと積み重ねれば、数千語という英単語も決して怖くはないということが、ご理解いただけたでしょうか。
次回は英文読解のコツについてお話します。ではまた。
【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |
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