一瞬で分かる中学校社会【超基礎編①】
中学校の3年間で学ぶ社会科は、地理、歴史、公民の3分野に分かれています。それらの最も基礎的な内容をご紹介します。総復習や予め全体をガイドラインとして読むにはおススメです。
中学地理 超基礎中の基礎①
世界の姿
地球の陸地は大きく6つの大陸とその他の小さな島々に、海洋は、大きく3つの大洋と日本海や地中海など、その他の小さな海に分けられます。
【6大陸】
①ユーラシア大陸(最大の大陸)
②アフリカ大陸
③北アメリカ大陸
④南アメリカ大陸
⑤オーストラリア大 陸
⑥南極大陸
【3大洋】
①太平洋(最大の海洋)
②大西洋
③インド洋
緯度と経度も確認しておきましょう
【緯度と経度】
世界の地形
地形に応じて世界は5つの気候帯に分けられます。
【熱帯】 1年中高温で季節による気温の変化が少ない
【乾燥帯】降水量が少ない。ステップ(草原)や砂漠が広がる
【温帯】 四季があり温暖
【冷帯(亜寒帯)】短い夏と寒さが厳しい冬。針葉樹林(タイガ)が広がる
【寒帯】 1年中低温。雪と氷におおわれる
世界各地の人々の生活と環境
ざっくりと、暑い地域から寒い地域や乾燥している地域、標高が高い地域の、人々の生活と環境を見ていきましょう。
【暑い地域】湿気を防ぐ高床の住居が見られます
【寒い地域】タイガと呼ばれる針葉樹が広がります
【乾燥地域】土を固めた日干しれんがの家が見られたり、草や水を求めて家畜と共に移動する遊牧が行われています
【標高が高い地域】アンデス山脈の先住民はリャマやアルパカを生活に利用しています。日干しれんが や石造りの家が見られます
世界の州の様子
アジア州
アジア州とは、東西には日本からアラビア半島、南北にはシベリアからインドネシアまで広がる地域を指します。シベリア地方は寒さが厳く、寒い地域の特色でもある、マツやモミなど寒さに強い針葉樹が茂るタイガが広がっています。日本を含む東アジアからアジア州の南部にかけては、稲作が多く行われています。稲作に必要な多くの雨を運ぶ湿った季節風が吹き、稲作に適している気候のためです。中央アジアや西アジアの内陸部は、この稲作に適した夏の季節風が届かず乾燥している気候です。農作物を育てることは難しく、羊などの家畜を育てる牧畜が盛んです。
西アジアには石油や天然ガスが豊富に埋蔵されており、各国に輸出されてこの地域を支えています。広い範囲に及ぶアジア州は人口が多いことも特徴で、世界の6割以上の人々がアジア州で暮らしています。
【気候】東~南アジアにかけて季節風(モンスーン)の影響を強く受ける
【民族】中国は人口の約9割を漢民族(漢族)が占める
【農業】雨が多い地域で稲作が盛ん
【鉱工業】ペルシャ湾岸は大規模な石油(原油)の産出地。中国は沿岸部に経済特区を設けて外国企業を誘致している
ヨーロッパ州
ヨーロッパ州は、ユーラシア大陸の西側にあります。その多くが日本の北海道より高い緯度にありますが、大西洋を流れる暖流と偏西風が寒さを和らげるため、北海道よりも比較的暖かい気候の地域が多いです。地中海の沿岸地域は1年を通して暖かく、夏には雨が少なく冬に雨が多いことが特徴です。また、ヨーロッパ州には45の国があり、そのほとんどが日本よりも国土面積が小さい国々です。ライン川に代表されるようないくつもの国を流れる河川が、昔しから国と国を結ぶ交通路として重要な役割を果たしてきました。歴史の古い景観や建物、美術品が数多く残されており、世界中から観光客が訪れる地域です。
【気候】北大西洋沿岸の上を吹く偏西風の影響で高緯度の割に温暖
【農業】ヨーロッパ州の広い地域で混合農業(家畜の飼育と作物の栽培を組み合わせた農業の形態)が行われ、地中海沿岸では地中海式農業によるオリーブやブドウ、小麦の栽培がおこなわれている
【特徴】1993年に地域組織のEU(ヨーロッパ連合)を結成。加盟国の多くが国を超えて共通の通貨ユーロを導入。現在は加盟国間の経済格差が拡大
アフリカ州
アフリカ州の北部には広大なサハラ砂漠があり、中央部には熱帯雨林があります。また、その周りには大草原のサバナが広がっており、沢山の野生動物が生息しています。アフリカ州を気候で分けると、北部のほとんどが乾燥帯、中央部は熱帯に属します。南部には四季のはっきりした温帯の地域も見られます。アフリカ州で一番高い山キリマンジャロ(標高5,895メートル)では積雪もあります。乾燥帯が広がるアフリカ北部では、西アジアと同じくイスラム教が広く信仰されています。また、石油を産出している国が多い事も西アジアとの共通点です。
【農業】代表的なものには、ギニア湾岸の国でカカオ豆(カカオ)、ケニアの茶、エチオピアのコーヒー豆栽培などがある
【鉱工業】金、ダイヤモンド、レアメタルなどが豊富
【経済】多くの国がモノカルチャー経済(特定の農産物や鉱産資源の輸出に頼る経済)で国の収入が不安定
北アメリカ州
北アメリカ州は、主に北アメリカ大陸と西インド諸島の島々で構成されています。寒さの厳しい北極に近い地域では、先住民のイヌイットがアザラシやトナカイなどの狩りをしながら伝統的な暮らしをしています。大陸の西部には北アメリカを南北に貫くロッキー山脈があり、降水量が少なく乾燥した地域が広がっています。大陸を南北に流れるミシシッピ川は北アメリカ大陸最大の川で、物資を運ぶ重要な交通路となっています。大陸の中央にはプレーリーと呼ばれる草原が広がり、世界有数の穀物の産地です。カリブ海にある西インド諸島の気候は亜熱帯で、リゾート地として人気があります。かつてイギリスの植民地だったため、農場の奴隷として連れてこられたアフリカ系の住民が人口の大半を占めてます。
【人々】アメリカ合衆国では、近年ヒスパニック(スペイン語を話す住民)系の住民が増加
【農業】アメリカ合衆国は敵地適作(各地域の気候や土壌にあった農作物を生産すること)と企業的農業(農場主が労働者を雇い、大規模に生産を行うこと)が特色。地域の適性に応じて、小麦や綿花、とうもろこし、大豆の栽培や、酪農や放牧が行われている
【工業】アメリカ合衆国の北緯37度より南のサンベルトで先端技術(ハイテク)産業や石油化学工業が発達
南アメリカ州
日本から見て地球の反対側にあるのが南アメリカ大陸で、この大陸にある12の国とその周辺にある島々が南アメリカ州です。南アメリカ大陸には16世紀以降、スペイン人やポルトガル人がやってきて植民地を作りました。そのため、スペイン語とポルトガル語がはなされるようになり、文化もまじりあっています。
南北に長い南アメリカ州は、自然環境も様々です。北部には地球最大の熱帯雨林であるアマゾン熱帯雨林が広がり、このアマゾンだけで日本の約10倍の面積があります。森の中心を流れるのは世界最大の水量のアマゾン川で、アマゾン川流域には先住民が多く暮らしており、森を守りながら農業や漁業で暮らしてきました。アマゾン熱帯雨林は地球の肺とも言われ待機中の酸素の約20%を供給していると言われています。また、世界の生物種の約1割が生息する生物多様性の宝庫ですが、近年焼き畑農業などによる森林破壊によりその面積が縮小しています。人間に最も近い動物であると言われるオランウータンも、その生息地が森林の伐採により急速に生息地が減少しており、あと20年で絶滅すると言われています。
南アメリカ大陸は、赤道に近い北部では高温で雨の多い気候が見られ、南に行くにしたがって気温が下がり雨が少なくなります。
【ブラジルの産業】コーヒー豆の生産・産出が世界一。カラジャスで鉄鉱石が算出
【開発と環境】アマゾン川流域の熱帯林(熱帯雨林)を伐採して開発が進行している。ブラジルでは、さとうきびが原料のバイオ燃料(バイオエタノール)で走る自動車が普及
オセアニア州
オセアニア州は、面積の9割を占めるオーストラリア大陸と、残り1割は、太平洋に広がる火山やサンゴ礁で出来た多くの島々で構成されており、島々には先住民が多く暮らしています。欧米諸国の植民地であったため、欧米の文化が浸透しています。
【民族】オーストラリアの先住民はアボリジニ
【産業】オーストラリアでは、乾燥に強い羊が飼育されており、石炭や鉄鉱石、ボーキサイトが産出される
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【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |